アメリカ(米国)のメンズドレスシューズ用木型(シューラスト)と、日本の紳士靴用木型の、サイズやワイズ・形状を比較-USサイズ(インチ)とJP(JIS)サイズ(cm)の違いについて

アメリカ(米国)木型(ラスト)サイズUS8(Dワイズ)と、日本の紳士靴の木型(プラ型)サイズ26.0cm(3E/EEE ワイズ)

アメリカ(米国)の紳士靴と、日本の紳士靴ではサイズがどのように違うのでしょうか。
サイズ換算表での換算サイズが実際に合っているか、米国製US8と日本製26.0cmの木型(換算表では「US8=26.0cm」)で比較してみます。

大きさ(サイズ)を比較する
形状を比較する
まとめ
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(文・写真/靴のパラダイス 大嶋信之


大きさ(サイズ)を比較する

アメリカ(米国)木型(ラスト)サイズUS8(Dワイズ)と、日本の紳士靴の木型(プラ型)サイズ26.0cm(3E/EEE ワイズ)

写真左は、国内で一般的に使用されている紳士靴用の木型(26.0cm/3E)です。
写真右は、15年以上前(2005年頃)アメリカで購入した紳士靴用の木型(US8/D)です。
米国の木型とトゥシェイプ(つま先のデザイン)が似た日本の木型を使用して比較してみます。

日本の紳士靴の木型(ラスト・プラ型)サイズ26.0cm(3E/EEE ワイズ)

日本(国内)の木型。
サイズ=26.0cm
ワイズ=3E(EEE)
国内の木型は、JIS規格(日本産業規格)に基づいたサイズ表記になっています。
3Eワイズは、日本では一般的な幅になります。国内で販売されている紳士靴(革靴・ビジネスシューズ)のほとんどは3Eワイズが現状です。

アメリカ(米国)木型(ラスト)サイズUS8(Dワイズ)

米国の木型。
サイズ=8
ワイズ=D
Dワイズは、アメリカでは一般的は幅ですが、日本では細身になります。
米国のDワイズが、日本(JIS規格)のDワイズと等しいかどうかも確認していきます。

アメリカ(米国)木型(ラスト)サイズUS8(Dワイズ)と、日本の紳士靴の木型(プラ型)サイズ26.0cm(3E/EEE ワイズ)の大きさ(サイズ)の比較

以下は実際に測った寸法です。

日本の木型「26.0cm/3E(EEE)」
A:全長 280mm
B:幅 101mm
C:足囲 250mm

米国の木型「US8/D」
A:全長 280mm
B:幅 93mm
C:足囲 232mm 

全長は同じ280mmでした。
これは、換算表の「US8=26.0cm」が正しいことがわかります。
しかも、アメリカのサイズ表記も、日本のJIS規格と同様に、「足入れサイズ」を表記していることがわかりました。
足入れサイズとは、その靴を履く足の全長(足長)を表記するサイズで、捨て寸と呼ばれるつま先の余裕分を含めない表記法です。そのため、26.0cm表記でも実際は28.0cmの長さがありますが、足長が26.0cmの方がお履きになってちょうど良いサイズになります。この足入れサイズの表記法は、ご自身の足の寸法がそのまま靴のサイズの目安になるため、大変わかりやすいサイズ表記になります。国内の革靴はJIS規格によりこの足入れサイズ表記に定められ統一されています。ただ、スニーカーやスポーツシューズは、現状(2022年現在)紳士靴と違って足入れサイズ表記ではない(捨て寸を含めたサイズ表記になっていることが多い)ため、紳士靴とサイズの差が生じますので注意が必要です。(ご参考:スニーカーと革靴のサイズの違いについて

ワイズについてですが、
日本の木型(3Eワイズ)の「幅101mm、足囲250mm」は、JIS規格では「Eワイズ」程度の寸法(2ランク小さい値)になります。これは、ころし寸と呼ばれる木型製作(採寸)法で、足の寸法(表面的な数値)をそのまま木型にしてしまうと、靴として成り立たなくなっていまうといった靴づくりのノウハウです。足の肉付きやフィット感などを考慮して木型は作られています。足と木型の違いについては、筆者(店長)の足と木型を例に、詳しく説明したページがございますので、よろしければご覧ください。(→足と木型の関係について
米国の木型(Dワイズ)の「幅93mm、足囲232mm」は、JIS規格では「Bワイズ」程度の数値になります。2ランク小さい値なので、ころし寸を考慮すれば、日本のDワイズ程度と言って良さそうです。

アメリカ(米国)木型(ラスト)サイズUS8(Dワイズ)と、日本の紳士靴の木型(プラ型)サイズ26.0cm(3E/EEE ワイズ)の土踏まずの縦アーチ(踵~親指付け根)の長さを比較

土踏まずの縦アーチ(踵~親指付け根)の長さも、ほぼ一致しました。
これは、靴のサイズがほぼ同等ということを意味します。

形状を比較する

サイズだけでなく、形状も比較していきます。

アメリカ(米国)木型(ラスト)サイズUS8(Dワイズ)と、日本の紳士靴の木型(プラ型)サイズ26.0cm(3E/EEE ワイズ)の全体の形状を比較

全体的な形状をみると、アウトラインや内振りの中心線などは似ています。

アメリカ(米国)木型(ラスト)サイズUS8(Dワイズ)と、日本の紳士靴の木型(プラ型)サイズ26.0cm(3E/EEE ワイズ)の底面形状を比較

底面の形状。
大きな違いもなく、よく似ています。

アメリカ(米国)木型(ラスト)サイズUS8(Dワイズ)と、日本の紳士靴の木型(プラ型)サイズ26.0cm(3E/EEE ワイズ)の前方形状を比較

前方からの形状。
甲から親指にかけての内振り感が、多少強弱ありますが似ています。

アメリカ(米国)木型(ラスト)サイズUS8(Dワイズ)と、日本の紳士靴の木型(プラ型)サイズ26.0cm(3E/EEE ワイズ)の甲部分の形状を比較

甲部分の形状。

アメリカ(米国)木型(ラスト)サイズUS8(Dワイズ)と、日本の紳士靴の木型(プラ型)サイズ26.0cm(3E/EEE ワイズ)の踵の形状を比較

踵部分の形状。
双方とも足に合った形状をしています。

まとめ

以上より、米国の木型と日本の木型は、同じ表記法で作られているため、換算表でのサイズ換算はほぼ正しいことがわかりました。
ただ、単位が米国がインチ、日本がセンチですので、サイズによっては若干の誤差があるかと思います。
また、ワイズについてもほぼ同様ということがわかりました。
もし、米国のドレスシューズ(紳士靴)を購入される際は、国内の紳士靴(2Eや3Eが一般的)でサイズがちょうどよい場合は、米国紳士靴でもEとかEEのワイズを選んだ方がよいと思います。米国で多いDワイズでは細すぎてしまう恐れがあります。
ご参考までに、筆者は国内の革靴で「27.0cm(3E/EEE)」を履くのですが、米国のドレスシューズでは「US9/EE」くらいでちょうど良いことが多いです。


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