紳士靴(ビジネスシューズ・革靴)のサイズ選び方法

ビジネスシューズ(革靴・紳士靴)のサイズ選び方法

ビジネスシューズ(革靴・紳士靴)のサイズ選び
  ├ 革靴サイズとスニーカーサイズの違い
  ├ 捨て寸(すてずん)とは
  └ ジャストフィットとは
足裏の汗と、靴のサイズとの関係
靴の重さと、靴のサイズとの関係
紐靴の正しい履き方(紐の締め方)
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ビジネスシューズ(革靴・紳士靴)のサイズはどのように選べばよいのでしょうか。

革靴サイズとスニーカーサイズの違い、捨て寸とボールジョイント

革靴サイズとスニーカーサイズの違い

国内の一般的な革靴の表記サイズは、”足入れサイズ”と呼ばれる足の全長サイズを表記しています(上図「革靴サイズ」)。それに対し、ナイキやアディダス、コンバースといったナショナルブランドのスニーカーは、捨て寸を含めた靴内(靴型)の全長サイズを表記している場合が多い印象です(上図「スニーカーサイズ」)。そのため、捨て寸の分だけサイズが異なってきます。幅などにもよりますが、一般的には1.5cm程度の誤差がでることが多いです。

例)スニーカーで27.0cm=革靴で25.5cm

■ご参考:革靴サイズとスニーカーサイズの違いと大きさの比較

捨て寸(すてすん・すてずん)とは

捨て寸とは、歩行時に足が屈曲することで生まれる、靴のサイズと足のサイズの誤差を考慮した分の余裕寸法です。歩行時(屈曲時)に足のつま先は靴内の前にずれるために必要になります。捨て寸の数値(取り方、計算方法)はメーカーやデザイン、サイズによっても異なりますが、先(スニーカーサイズとの違い)にも述べたとおり経験上1.5cm程度が一般的な感覚です。サイズに対して1割というメーカーもあります。また、靴のデザインがつま先の長めのロングノーズであったり、ポインテッドトゥであったりした場合、捨て寸に加えデザイン上の余裕分も生じますので、表記サイズに対し靴の全長はより長くなります。

捨て寸の役割

捨て寸の役割

捨て寸が実際にどのような役割をしているのでしょうか。上の図は、”直立時”と歩行の際に足を蹴り出した”屈曲時”とを簡単に表した図になります。

かかとを固定した状態でボールジョイントを屈曲させて足を蹴り出すと、”靴内の足の長さ”と”ソールの長さ”とで外周内周差が生まれ、足のつま先がソール(靴)のつま先へずれ込みます。この差を捨て寸が吸収することで、足が靴のつま先に当たらずに歩行することができます。また、屈曲すればするほどこの差は大きくなるため、十分な捨て寸のない靴を履いて歩くと、歩行のたびにつま先が靴に当たって痛くなる恐れがあるだけでなく、ハンマートゥや巻爪などの趾(指)の変形を伴う病気になってしまうこともあります。

以上から、基本的には「足の全長サイズ=革靴の表記サイズ」を頭に入れて、サイズを選びます。(→ご自身の足の全長サイズを測定する
では、サイズが「ピッタリ」とはどのような状態を言うのでしょうか。

ジャストフィット(サイズがぴったり)とは

素足のボールジョイントとつま先

靴のサイズが足にぴったり(ジャストフィット)とは、足のかかとから親指の付け根(ボールジョイント)までの長さ(踏まず長)が靴とぴったりで、つま先は圧迫されない状態を言います。(ご参考:ジャストフィットについての詳細
靴を履いたときに、靴の中で足が前後に動いてしまう、またはかかとに指が入ってしまうような余裕がある場合は、サイズが大きいです。

逆に、つま先部分に余裕がない、または圧迫されている状態は、サイズが小さいと言えます。

革靴のジャストフィット(ぴったりサイズ)のチェックポイントの図

なお、革靴は履き慣れると甲革が伸び足に馴染んできます。上写真の「ボールジョイント」(親指の付け根の骨の部分と、小指の付け根の骨の部分)は、甲革が伸びて足に馴染みやすいですが、ボールジョイントより先の指の部分「指のサイド~指先(つま先)」は馴染みにくいので、この部分が窮屈な靴を履くと、足が痛くなりますし、外反母趾などの指の変形を伴う病気になってしまう恐れがありますので注意が必要です。

また、外くるぶしの高さも重要で、柔らかな素材の靴なら大丈夫な場合も多いですが、外側のくるぶしが靴の履き口に当たるようですと、お履きになるうちに痛くなってしまう恐れがありますので、当たらない靴を選ぶか、履き口を揉んで馴染ませるとよいでしょう。(→踝が当たって痛い場合の対処方法)また、靴のサイズが大きいために、くるぶしが当たる場合もあります。サイズを下げると当たらない場合もあります。

足裏の汗と、靴のサイズとの関係

素足の足の裏

靴のサイズが大きいと足の汗をかきやすくなります。サイズがゆるいと、歩行時に靴内で足がずれ動くためです。またずれ動くことで摩擦熱が生じて、靴内が暑く感じ蒸れた感じが増大します。人類はもともと猿の仲間で、木の上で生活していたとされています。その名残で、木からすべり落ちないように、緊張すると手のひらと足の裏に汗をかくように体ができています。靴の中で足がずれ動くたび、無意識に足のひら(裏)でつかもうとする意思が働き、汗を多くかいてしまいます。ですので、サイズの合った靴を履く、または中敷きでサイズを調整する、紐靴であれば紐をしっかり結んで履くことにより、靴内での足のずれを無くし足を固定することで、汗はかきにくくなります。普段足の汗をかきやすい、靴の中が暑く感じやすいという方は、一度お試しいただくとよいでしょう。

■ご参考:足のイヤな臭いの原因と対策(対処)方法

靴の重さと、靴のサイズとの関係

靴のサイズがゆるい(大きい)と、靴が重く感じ疲れやすくなります。サイズの合った靴(足に密着し一体化した靴)は、重さはさほど気にならず、重量のある靴でも不思議と軽く感じます。もし、今履いている靴がゆるい場合は、中敷きでサイズを調整し、紐靴であれば紐をしっかり結んで履くことをおすすめいたします。靴内で足をできるだけ固定することで、靴が軽く感じますし、疲れやすいといったことは軽減されると思います。

紐靴の正しい履き方(紐の締め方)

紐靴(ビジネスシューズ)の正しい履き方、ヒールを地面に付けて、つま先を上げて紐を縛る

紐靴の場合、紐(甲)でしっかり足を固定すると、歩行時の足への負担が軽くなり、疲れにくくなるだけでなく、汗もかきにくくなることで蒸れにくくもなります。普段履きはもちろん、長距離を歩く場合には特におすすめです。
履き方は、ヒールを地面につけたままつま先を上げて、靴のかかとに足のかかとを合わせた状態で、しっかり靴紐を結びます。こうすることで、甲でかかとを押さえられ、靴内で足を固定することができます。つま先にも十分な余裕が生まれ、指(趾)先~幅も楽になります。
なお、お履きのうちに足がむくむことで紐(甲)がきつく感じられることがありますが、その時は紐を少し緩めて調整するとよいでしょう。


ジャストフィットとは?

ジャストフィット(ジャストサイズ)とは?
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