靴に商品タグや値札などの下げ札を、機械を使わずレース針を使用し取り付ける方法を説明します。
もともと開いているカカトの穴や、靴紐の穴(レースホール)に、レース針を使って糸を通して付けます。
▼ カカトの穴を利用して付ける
・紐が長い場合
・紐が短い場合
▼ レースホール(紐穴)に付ける
▼ レース針
(写真・説明文/靴のパラダイス店長 大嶋信之)
紳士用革靴を例に解説します。
(写真の靴:PARASHOE ハンドメイド 本革 内羽根ストレートチップ 黒)
カカトの穴を利用して付ける
パンプス(婦人靴)やビジネスシューズ(紳士革靴)など、両足のかかと部分に小さな貫通した穴が開いている場合があります。
これは、「タックホール」と呼ばれる穴で、靴製造時(製靴時)に開けられる穴です。(詳細:タックホールについて)
タックホールがある場合、この穴を利用して下げ札を付けることができます。
商品タグや値札(プライスタグ)など付けたい下げ札(タグ)と、レース針を用意します。
レース針の先端は、鍵状になっています。
この鍵に、紐(糸)を引っかけて、下げ札(タグ)を取り付けます。
下げ札(タグ)の紐(糸)の先端のこの輪っかを引っかけます。
紐(糸)が長い場合
紐が長い場合は、まず下げ札(タグ)の穴にレース針を通します。
その状態でタックホールにレース針を挿入します。
紐の先端部分を、レース針の先端の鍵に引っかけます。
引っかけたら、紐をすこし引っ張り、突っ張った状態にします。
そのまま穴から引き出します。
引き出した紐をレース針から外し、めい一杯引き出し、大きな輪をつくります。
紐の輪っかに、下げ札(タグ)を通します。
タグを引っ張って、伸ばして紐の形をまっすぐに整えます。
これで取付完了です。
紐(糸)が短い場合
タグの紐(糸)が短い場合は、まずレース針をタックホールに挿入します。
下げ札(タグ)の紐の先端部分を、鍵状になっているレース針の先端に引っかけます。
引っかけた状態で、穴から引き出します。
めい一杯引き出した糸を、輪っか状にして下げ札(タグ)を通します。
下げ札(タグ)を引っ張って、紐の形をまっすぐに整えます。
これで、取付完了です。
レースホール(紐穴)に付ける
下げ札(商品タグ、値札)を、靴紐のレースホールに取り付けることもできます。タックホールのない靴の場合にも有用です。
まず、取り付けたいレースホールから靴紐を抜きます。
下げ札(タグ)の穴にレース針を通し、レースホールに挿入します。
タックホールの紐の長い場合と同様の手順です。
穴に通したレース針の先端の鍵に、下げ札(タグ)の紐(糸)の先端の輪を引っかけます。
そのまま紐を(糸)を引っかけた状態で、レースホールから引き出します。
めい一杯に引き出した紐(糸)を輪っか状にして、下げ札(タグ)を通します。
もし紐が短くうまく下げ札を通せない場合は、タックホールの時の紐が短い場合と同じ手順で取り付けます。
下げ札(タグ)を引っ張り、紐(糸)を真っ直ぐに整えます。
これで取付完了です。
レース針
今回使用したレース針は、CLOVER(クローバー)のNo.12(12番)です。
太さと先端の鍵は、No(番)が上がるごとに細くなります。
今回タグ付けに使用してみて、No.12(12番)はちょっと細すぎな感じがありましたので、No.10(10番)でもよいかもしれません。No.12(12番)では、木綿糸はうまく引っかけることができましたが、少し太めの麻糸は、先端の鍵が小さすぎて引っかけにくい感じでした。
「クローバーレース針」パッケージ裏の説明文
通常の用途は、レースを編むのに使用する、非常に細いあみ棒です。