革靴の靴紐の通し方(結び方)の種類と特徴(シングル・パラレル・オーバーラップ・アンダーラップ)

ドレスシューズ(革靴・ビジネスシューズ・紳士靴)の靴紐(シューレース)の通し方(結び方)の種類と特徴を説明いたします。

シングル、パラレル、オーバーラップ/革靴の靴紐の通し方(結び方)の種類

革靴の靴紐の結び方(通し方)には主に、シングルパラレルオーバーラップと呼ばれる3つの方法があります。
また、革靴ではあまり使われませんが、スニーカーやスポーツシューズなどで多く見られるアンダーラップという通し方もあります。
それぞれに特徴がありますので、靴や用途によって使い分けると良いと思います。

シングル
パラレル
オーバーラップ
アンダーラップ
関連ページ


シングル

シングルで通して結んだ靴紐

まず、オーソドックスな「シングル」と呼ばれる通し(結び)方のご紹介です。
紐が表にきれいに平行に並ぶ、一般的(スタンダード)な通し方です。

シングルでの靴紐の通し(結び)方 手順1

最初に、図のように紐を通します。
一番下の紐穴二つを羽根の裏から表に通して、片方の紐を上にもってきます。

シングルでの靴紐の通し(結び)方 手順2

もう片方の紐を、羽根の裏から表へ図のイエロー線のように通していきます。
上に持っていった紐(ピンク)の上に通していきます。

シングルでの靴紐の通し(結び)方 手順3

最後にもう片方の紐(ピンク線)を、一番上の紐穴に裏から通します。

シングルの通した靴紐 完成した見た目

こんな感じです。
紐をゆるめるときも、閉めるときも、片方の紐だけ調節すれば済みますので、便利な結び方です。
一番オーソドックスと言ってよいくらい、多く見られる通し方です。


パラレル

パラレルで通して結んだ靴紐

次に、「パラレル」という通し(結び)方です。
見た目はシングルと同じように見えますが、裏から1つ飛びで交互に穴に通してあり、ゆるみにくいことが特徴です。

パラレルでの靴紐の通し(結び)方 手順1

最初に、シングル同様に一番下の穴に、羽根の表に紐が出るように通します。

パラレルでの靴紐の通し(結び)方 手順2

次に、片方の紐は一つ上に、もう片方の紐は二つ上の穴へ、羽根の裏側から表へ通します。

パラレルでの靴紐の通し(結び)方 手順3

次からは、左右それぞれ1つ飛びで(2つ上の)穴に通します。

パラレルで通した靴紐 完成した見た目

わかりにくいですが、こんな感じです。
ゆるめるときや締め付けるつけるときは、両方の紐を交互に調節する必要がありやや面倒ですが、一度締めたら非常に緩みにくく、また両羽根のバランスも均等に取れ、足にフィットしやすく、見た目も美しい通し方です。
個人的には、高級紳士靴に多く見られるような気がします。


オーバーラップ

オーバーラップで通して結んだ靴紐

オーバーラップ」という通し(結び)方です。
交互に斜めに編み上げる、見た目が特徴的な通し方です。

オーバーラップでの靴紐の通し(結び)方 手順1

最初に、シングルやパラレル同様、一番下の穴に、羽根の表に紐が出るよう通します。

オーバーラップでの靴紐の通し(結び)方 手順2

次に、左右両方の紐を、1つ上の穴へ表から裏へ通します。

オーバーラップでの靴紐の通し(結び)方 手順3

同じように上まで通していきます。
一番上だけ、紐を結ぶために、羽根の裏から通します。
ここで注意したい点が、必ず一つ一つ左右順番に通すことです。
そうすることで、交差する紐に均一性がでて、きれいな見た目となります。
図のように、ピンク線とイエロー線が交互に(写真の、右から左上へ通した紐が常に)上にきていることがおわかりいただけると思います。

オーバーラップで通した靴紐 完成の見た目

わかりにくいですが、こんな感じです。
左右一つ一つ順に通すことで、紐の順番に均一性を持たせます。
写真は、向かって右上へ通した後、左上へ順番に通して、左上に通した紐が常に上に来るように通しています。

オーバーラップは、ゆるめるときも締め付けるときも、左右の紐を順に調整します。パラレルほど面倒ではない感覚です。個人的には、オーバーラップは見た目は好きですが若干カジュアルな印象を持っていて、ウィングチップやUチップといったややカジュアルなドレスシューズとの相性がとても良い通し方だと思っています。
スニーカーやランニングシューズ、カジュアルシューズなどにも多く見られます。

アンダーラップ

アンダーラップで通して結んだ靴紐

最後に、「アンダーラップ」という通し(結び)方です。
羽根の裏から表へと、交互に斜めに編み上げる通し方です。
革靴では、あまり使われない通し方ですが、スニーカーやスポーツシューズなどで多く見られます。

アンダーラップでの靴紐の通し(結び)方 手順1

最初に、靴紐を羽根の裏側から左右に通します。

アンダーラップでの靴紐の通し(結び)方 手順2

次に、左右それぞれの紐を、ひとつ上の穴へ羽根の裏側から通します。

アンダーラップでの靴紐の通し(結び)方 手順3

同じ手順で、一番上まで通していきます。
ここで注意したい点が、オーバーラップと同じように、必ず一つ一つ左右順番に通すことです。
そうすることで、交差する紐に均一性がでて、きれいな見た目となります。
図のように、ピンク線とイエロー線が交互に(写真の、右から左上へ通した紐が常に)上にきていることがおわかりいただけると思います。

アンダーラップでの靴紐の通し(結び)方で通した実際の写真

わかりにくいですが、こんな感じです。
左右一つ一つ順に通すことで、紐の順番に均一性を持たせます。
写真は、向かって右上へ通した後、左上へ順番に通して、左上に通した紐が常に上に来るように通しています。

アンダーラップは、オーバーラップ同様、ゆるめるときも締め付けるときも、左右の紐を順に調整します。
なお、アンダーラップはカジュアルな印象があり、ドレスシューズにはあまり使用されていない傾向がありますが、カジュアルシューズやスニーカー、ランニングシューズなどにはよく見られる結び方(通し方)です。

(写真・文/靴のパラダイス店長 大嶋信之
※写真の靴:PARASHOE 本革 ビジネスカジュアルシューズ 厚底白ソール


関連ページ

羽根(内羽根・外羽根)の開き具合

羽根(内羽根・外羽根)の開き具合について
紳士靴(革靴・ビジネスシューズ)の羽根のちょうどよい開き具合を解説。

ドレスシューズ(革靴・ビジネスシューズ・紳士靴)の正しい履き方と脱ぎ方

ドレスシューズ(革靴・ビジネスシューズ・紳士靴)の正しい履き方と脱ぎ方
ドレスシューズと呼ばれる革靴(ビジネスシューズ・紳士靴)の正しい履き方と脱ぎ方を説明いたします。